パペットでピンを動かす操作は「形を作る」操作です。アニメーションにするには、異なる時刻へパペット状態を記録し、その間を補間させます。Character Motion StudioではTransform・Puppet・Bone・Pathが別々のキーデータを持ち、タイムライン側でそれらの時刻をまとめて見せています。
変形と「時間軸への記録」は別
パペット機能でイラストを曲げると、その場では形が変わります。しかし、それだけで時間変化が作られたとは限りません。
「イラストを変形すること」と「変形した状態を時間軸へ記録すること」は別です。
パペットで曲げるだけでは「動き」にならない
例えば尻尾を右へ曲げた時点では、「右へ曲がった尻尾」という一つの形を作っただけです。アニメーションにするなら、別の時刻にも異なる状態を用意します。
この考え方自体は一般的なキーフレームアニメーションと同じです。開始と終了の状態を置き、その間を補間して動きを作ります。
キーフレームの基本を先に押さえる
「フレーム」「キーフレーム」「キーポーズ」は似た言葉ですが同じではありません。キーフレームは、時間上のある地点へ値を記録するものです。
30fpsの2秒動画に60フレームあっても、60個のキーフレームが必要なわけではありません。0秒と2秒へ異なる値を置けば、その間はソフトが補間できます。
「キーフレームとは?フレーム・キーポーズ・状態キーとの違い」では、この基礎からCharacter Motion Studioの状態キー表示まで整理しています。
Character Motion Studioの現行キー構造
現行実装では、すべての状態を一つのキーフレームへ保存しているわけではありません。種類ごとに別のキーデータを持っています。
| 種類 | 現行の保存単位 | 主な内容 |
|---|---|---|
| Transform | LayerTransformKeyframe | x / y / width / height / scale / rotation / opacity |
| Puppet | PuppetPinKeyframe | その時刻のパペットピン位置 |
| Bone | RigKeyframe | ボーンごとの回転・X/Yオフセット |
| Path | Path側のキーフレーム | アンカー・ハンドルなどのPath状態 |
タイムラインはこれらのキー時刻をまとめて表示できますが、内部保存は別です。特にPath変形は独立したPathキーフレームとして管理されます。
「状態キー」はUI上の見せ方として考える
Character Motion Studioのタイムラインでは◆を「状態キー」と表示しています。これは、ユーザーが「この時間のキャラクター状態」を一つの地点として捉えやすくするための見せ方です。
ただし、現行の◆ボタンがTransform・Puppet・Bone・Pathを一括で一つのデータへ保存するわけではありません。
現在の共通◆ボタンが直接追加・削除するのはTransformキーフレームです。パペット・ボーン・Pathはそれぞれ別の記録系統を持ちます。一方、タイムライン上の◆表示自体は、それらのキー時刻を集約して「この時刻に何らかの状態がある」と見せます。
「◆を押すと位置・回転・パペット・ボーンを全部まとめて保存する」という説明は、現行コードとは一致しません。状態キーは一括保存フォーマットではなく、複数のキートラックを同じ時刻の状態として理解しやすくするUI概念として扱う方が正確です。
再生すると元へ戻るときに確認すること
パペットを動かしたのに再生すると元へ戻る場合は、その形がパペットキーフレームとして時間軸へ残っているかを確認します。
Transformの◆だけを追加しても、パペットピン位置が自動で同じキーへ統合されるわけではありません。この点を分けて確認すると原因を追いやすくなります。
髪や尻尾は「根元から先端まで同時に動かさない」
髪や尻尾を自然に見せるときは、全体を同時に同じ量だけ動かすより、根元・中間・先端へ時間差を作る方が柔らかく見えます。
ピン配置そのものは「パペットピンはどこに置く?」で詳しく整理しています。
最初は3つの状態だけでも動く
複雑な動きを最初から作る必要はありません。まずは「基本形 → 変形 → 基本形」の3状態で十分です。
ここから中間の状態を追加し、速度・しなり・余韻を調整します。パペットがゴムのように伸びる場合は、時間軸より先に変形範囲やピン配置を見直します。
移動までパペットで作らない
キャラクター全体の移動、回転、拡大縮小はTransformで作れます。パペットは髪・服・尻尾・柔らかな身体など、形自体を変えたい部分へ使います。
| 動き | まず使う機能 |
|---|---|
| 画面内を移動 | Transform |
| 近づく・遠ざかる | Scale |
| 髪・服・しっぽを曲げる | Puppet |
| 腕・脚を関節として動かす | Bone / パーツ回転 |
| 長い髪や尻尾の流れを作る | Path変形 |
パペット・ボーン・パス変形の違いも合わせて読むと、タイムラインへ置く前の機能選択を整理できます。
形を作ることと、時間へ残すことを分ける。
まず小さな変形を作り、その状態がどのキーとして記録されるかを確認します。Transformとパペットを別々に理解すると、再生時の戻りや意図しない変形を切り分けやすくなります。
まとめ
パペットで曲げることと、パペット状態を時間軸へ記録することは別です。アニメーションには、異なる時刻に異なる状態が必要です。
Character Motion Studioでは、Transform・Puppet・Bone・Pathが別々のキーデータを持ちます。◆の「状態キー」はそれらの時刻を一つのキャラクター状態として理解しやすくするUI上の考え方であり、現行実装では全データを一括保存する単一キーフレームではありません。